記事引用元: https://www.military-spec-an.com/entry/TaiwanARMYtigerstripecamouniform1966deadstock
今回は、1970年代の台湾陸軍迷彩ユニフォームを分析します。
台湾軍のタイガーストライプというと海軍陸戦隊用モデルが有名で、当ブログでも記事にしていました。
しかし今回は珍しい陸軍モデルになります。
まさかのデッドストックですよ!
目次
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1 台湾陸軍迷彩ユニフォーム(タイガーストライプ・1977年)とは?
ベトナム戦争中に、旧南ベトナムで開発された「タイガーストライプ」迷彩。
元はフランス軍がインドシナ戦争で敗北した時に残された「リザード迷彩」が原型でした。
しかし残されたリザード迷彩生地の消耗に伴い、それに置き換わる形で開発されたものがタイガーストライプ…というのが定説ですね。
そしてタイガーストライプ迷彩は、その後のベトナム戦争では旧南ベトナム軍のみならず、アメリカ軍や、直接戦争に関係していない東南アジアの国にも波及していきました。
インパクトのあるこの迷彩は、緑の多い東南アジア地域を主体に大きな影響を与えていたのですね。
ご存知のとおり、ベトナム戦争当時は、タイガーストライプ迷彩生地やその生地を用いた衣料品が、周辺国であるタイ、フィリピン、日本などでも製造されていました。
そして台湾でも。
今回のモデルはそんな台湾の、それも陸軍が採用したターガーストライプ迷彩のユニフォームになります。
後に台湾軍海軍陸戦隊が採用したタイガーストライプとは、配色やパターンが少々違っているのが特徴です。
さてさて、それはどんなタイガーストライプ迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、台湾軍装備マニアのみならず、タイガーストライプファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
シャツ
前面
後の海兵隊モデルより、コントラストが低くダークなイメージがありますね。
4色迷彩なのですが、一見3色迷彩に見えるのが特徴です。
背面
所々、ベトナム戦争時のタイガーストライプに似たパターンがありますね。
前面裏側
今回の迷彩ユニフォームは、迷彩生地は裏側から見ると各色の配置がわかりやすいですね。
背面裏側
襟周りレイアウト
裾は一般的なYシャツタイプ。
背面上部にはヨークあり。
タグ
読みづらいですが、台湾民国紀元66年(西暦1977年)度契約品です。
最上段の品名には「陸軍」との記載あり。
胸ポケット
ボタンで開閉
ボタンは小さいODのプラスティック製で4穴タイプ。
袖
テーパー付き。
袖口はボタンで開閉・調整
マチはありません。
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみ
最上段のボタンは内側に向いていることに注意!
タグ
シャツより配色が違うので見やすいですね。
台湾民国紀元66年度(1977年度)契約品で、やはり陸軍の文字(最上段の品名)が!
タグの周辺にはいくつかスタンプあり。
ポケット内側記事にもスタンプが!
右側面レイアウト
ベルトループは、生地が二重になっているところを避けて縫い付けられています。
前面右側小ポケット
ちゃんと内側生地もあります。
腰スラントポケット
右ヒップポケット
ヒップポケットは右側のみ。
生地の端末処理はされていませんでした。
でもステッチは2本ですね。
迷彩生地の表裏(シャツ)
表側から見ると、グリーンとブラウンの色調差はわかりにくいですね。
でも裏側から見ると、ブラウンの色調がはっきりしています。
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3 その特徴とは?
迷彩は、カーキグレイの生地に、ダークグリーン、ダークブラウン及びブラックバイオレットを用いて、カーキグレイを塗り残すようにストライプや葉のようなパターンを描いています。
でも、各色の配置はかなりズレていて、重なっている部分も多いですね。
(面白いことに、生地表側より裏側の方が、各色の配置を確認しやすいです。)
後の海軍陸戦隊のモデルと比べると、色調差がよくわかります。
今回のモデル
海軍陸戦隊モデル
生地は、おそらくコットンとポリエステルの混紡でHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)でです。
薄く軽量ですが頑丈で、通気性も抜群です。
デザインは、シャツがエポレットなし、胸ポケット×2、裾は一般的なカッターシャツタイプ。
トラウザーズは、右前面小ポケット、左右腰スラントポケット、右ヒップポケットで、とてもシンプルです。
全体的な縫製は、やや雑ですが必要な強度は確保されていますね。
やはり大陸軍より台湾軍の方が、しっかりした仕立てです。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1977年
製造場所 台湾
契約会社 台湾
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ シャツ
15
トラウザーズ
18
(日本人のXS〜S)
各部のサイズ(平置)
シャツ
着丈 約76cm
肩幅 約43cm
身幅 約50cm
袖丈 約60cm
トラウザーズ
ウエスト 約35cm
着丈 約97cm
股上 約29cm
股下 約71cm
裾幅 約21cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
以前、同じく台湾軍海軍陸戦隊用のタイガーストライプ迷彩トラウザーズを分析したことがありました。
これは現行モデルよりも古い製品(1970年代?)だったので、あるいはベトナムにも輸出されて当時のベトナム戦争で使用されたのかも…という淡い期待を込めて記事にしたのですが…。
今回のモデルは、まさにベトナム戦争真っ盛りの時期に製造されたもので、本当に輸出されて使用された可能性が高いですね。
(迷彩パターンも旧南ベトナム軍のものに近いですね。)
台湾は、ベトナム戦争中に旧南ベトナムと密な交易を行なっていたり、少数ですが台湾軍軍事顧問を派遣していた…との情報もあります。
やはり今回のモデルなどもベトナム戦争で使用されていたのかもしれませんね。
マニアックな話はさておいて、今回のモデルは少なくとも日本で目にする機会はまずありません。
上述の海軍陸戦隊用ターガーストライプなら、少数でも見掛けることがありますが、陸軍用は皆無ですね。
しかも迷彩色調や迷彩パターンも違っているので、代替品としては使用できません。
でも探しているあなたは、東南アジアに強いSHOP(大阪C店とか)を当たるか、台湾本国のミリタリーショップを当たってみましょう。
(通販に応じてくれるかもしれません。)
また期待は薄いですが、海外のオークションもチェックしてみましょう!
私は、今回のモデルがべトナム戦争中に使用された例について調査してみたいと思います。
今回は、1960年代の台湾陸軍のタイガーストライプ迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231216更新)
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参考:他の台湾軍タイガーストライプ迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
その他の台湾軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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