記事引用元: https://www.military-spec-an.com/entry/USflighthelmetANH151940Sdeadstock
今回は、1940年代のアメリカ陸軍航空隊フライトヘルメットAN-H-15を分析します。
珍しく陸軍及び海軍の共通装備として開発されましたね。
じつは、いくつかの映画にも衣装として使用されていることでも有名です。
保管上の痛みや汚れがありますが、デッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍航空隊フライトヘルメットAN-H-15(夏用・初期型)とは?
どこの国でもそうですが、その国の陸軍と海軍(場合によっては空軍も)仲が悪い場合が多いですね。
作戦や使用している兵器、それを運用する方法、果ては制服まで違っているので、ある意味当然なのかもしれません。
ことあるごとに対抗意識を持ちだし、互いに張り合う場合が多いですね。
それでも過去の歴史を見ると、そんな状況ながらなんとか協働(共同)して何かをしようとした痕跡が多く見受けられます。
今回のモデルは、「犬猿の仲」であるアメリカの陸軍と海軍が同じ規格の装備品として開発したパイロット用フライトヘルメットになります。
SPECに示されている「AN」は「ARMY」と「NAVY」の頭文字で、共同の規格ということを示しています。
(航空機部品にも多く見られますね。)
ただし今回のモデルは第二次大戦当時の陸軍航空隊(AAF:ARMY AIR FORCE)のモデルになります。
過去にもいくつか同様のヘルメットを分析しましたが、今回のモデルもそれに負けず劣らず高品質な製品でしたよ!
さてさて、それはどんなフライトヘルメットなのでしょうか?
今回は、アメリカ陸軍航空隊(AAF)装備マニアのみならず、大戦中のパイロット装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
(左斜めより)
全体形
(斜め後より)
後頭部下端にはゴムを内蔵。
前面
背面
ゴーグルや各種コードを留めておくストラップはレザー製。
中央は縫い付けですが、左右はダットファスナーで開放できます。
左側面
イヤーパッド横にある3個のダットファスナーは、酸素マスク取り付け用。
チンストラップはレザー製で、バックルで長さを調整できます。
右側面
チンストラップは金属製のバックルもありますが、右側のダットファスナーで開閉も可能。
上面
以外に複雑な縫製。
大きなゴム製のイヤーパッド
中に無線機のレシーバーを装着できます。
イヤーパッド裏面は柔らかい革製のパッドあり。
チンストラップは厚いレザー製ですが、肌が直に接する部分には柔らかい鹿革が縫い付けられています。
これならレザーで肌を痛めることがなさそうですね。
タグ
額内側には汗どめの鹿革が縫い付けられていました。
アメリカ陸軍航空隊のスタンプ
何故か海軍モデルにもこのスタンプが押されている場合もありますね。
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3 その特徴とは?
本体はカーキのコットンギャバジン製で薄く丈夫な生地で縫製されています。
肌触りがとても良いですね。
帽体は大きく4枚の生地で構成されていて、立体的かつ複雑な裁断なのが特徴です。
この当時のアメリカ軍フライトヘルメット同様、大きなゴム製イヤーパッドがあり、裏側には鹿革の柔らかいパッドがあります。
(ここには無線機のレシーバーを内蔵させることができます。)
チンストラップはレザー製ですが、ここにも柔らかい鹿革が縫い付けられていますよ。
徹底的に「人に優しい」デザインですね。
後頭部には例によって3本のレザー製ストラップがあります。
(うち2本はダットファスナーで開放可能。)
全体的な縫製はとても精密かつ正確で、高い技術を感じさせる仕立てです。
約80年前に、これを量産できるアメリカ…やはり凄いですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
レザー
表記サイズ L
(58cm〜61cm)
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
同じモデルは、勿論海軍でも使用されていて、違いはタグの内容だけです。
海軍モデルのタグ
(海外のネットショップ「BLIGHTY MILITARIA」のサイトより引用)
また後期型は、酸素マスク用のダットファスナーが片側4個あるので識別は容易ですね。
(特殊なダットファスナー付モデルもあります。)
ところで今回のモデルは、ある意味陸軍・海軍の理想(それとも妥協?)が産んだ傑作フライトヘルメットといえます。
しかしその後は、何故か両軍統一規格のフライトヘルメットが開発されることはありませんでした。
やはり全てが違っている陸軍と海軍。
当然の帰結と言えそうですね。
それはともかく、このフライトヘルメットは、いくつかの映画で使用されていることでも有名ですね。
映画で使用されていたシーン
リドリー・スコット監督作品「ブレードランナー」(1982)
(画像はエドワーズ・ジェームズ・オルモス演じるブレードランナー「ガフ」)
かなり改造されていますが、今回のモデルの後期型がベースになっているのがわかります。
リドリー・スコット監督はこのヘルメットがお気に入りで、他にエイリアンシリーズなどでも使用例があります。
他にはジョージ・ルーカス監督作品「スターウォーズ(ジェダイの帰還)」(1983)でも使用されていました。
森林戦闘シーンで反乱軍の兵士が、今回のモデルを改造したヘルメットを着用していましたね。
(画像はキャリー・フィッシャー演じるレイア姫💕)
やはり改造されていますが、ベースは後期型のようです。
何十年も前の製品を加工して衣装にするのは面白い発想ですね。
(当時のアメリカでは、まだ多くのヘルメットが残っていたのかも?🤔)
さて今回のモデルですが、現在日本では品薄な状態が続いています。
私が入手したのは今から約30年前ですが、当時でも在庫は殆どありませんでした。
だからでしょうか?
現在はオークションなどでも高値で取引されていますね。
実際、低速機でも操縦する場合はハードヘルメット着用が主流の現在。
たとえ趣味でもわざわざソフトシェルヘルメット使用することはあまりないでしょう。
(大戦機(復元機も含む)のオーナーパイロットなら着用するかも?)
もはやコアなマニアのみ人気のある製品という状態では、やはり需要が少なく、必然的に入荷量も少ないことから入手困難なのは当然ですね。
ただし海外のオークションでは、まだいくつか出品されていていることから、なんとか入手は可能ですよ。
探しているあなたは、ぜひチェックしてみてください。
私は、同じく陸軍機モデルの後期型と海軍モデルを探してみたいと思います。
今回はアメリカ陸軍と海軍が規格を合わせて開発した珍しいフライトヘルメットAN-H-15を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231106更新)
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参考:他のフライトヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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