記事引用元: https://www.military-spec-an.com/entry/PLAgraychocochipcookieJKTdeadstock
今回は、2000年代の中国人民解放軍陸軍の砂漠用迷彩服を分析します。
以前分析した人民解放軍陸軍砂漠用迷彩ユニフォーム(アメリカ軍チョコチップクッキーコピー)と違う色調の迷彩生地が使用されていますね。
パターンも少々違っているのも特徴です。
勿論デッドストックですよ!
目次
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1 中国共産党人民解放軍砂漠用迷彩ジャケット(グレイチョコチップクッキー)とは?
1980年代から1990年にかけて、中国人民解放軍は装備の近代化に勤しみました。
その基本的なコンセプトは「コピー」。
旧ソ連製装備は言うに及ばず、いわゆる西側の装備も中国風にコピーを重ねていきましたね。
(現代でもアメリカ軍F-35戦闘機をコピーしたJ-31 、旧ソ連スホーイSu-33をコピーしたJ-15 戦闘機は特に有名ですね。)
勿論、コピーは兵器のみならず個人装備にも及びました。
当ブログでも、イギリス軍のMTP迷彩をそっくりコピーした「迷彩ユニフォーム」を分析しました。
今回のモデルも、そんなコピー迷彩系の一品になりますが、ジャケットのデザイン、迷彩生地のパターンとも、中国のアレンジが加えられていますね。
一説には空軍関連装備とか?
さてさて、それはどんな砂漠用迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、中国共産党人民解放軍装備マニアのみならず迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
迷彩は一見アメリカ軍やサウジアラビア軍のチョコチップクッキーに似ていますが、パターンは中共のオリジナルですね。
背面
前面裏側
生地は薄く、迷彩プリントが裏側まで透けていますね。
背面裏側
襟周りレイアウト
襟はジッパーでことができます。
前合わせは、ジッパーとダットファスナーです。
データスタンプ
2003年度契約品です。
生地のナンバリング
エポレットはテーパーなしのクサビ型
ボタンは無印の黒いプラスティック製
胸ポケット
ジッパーで開閉。
腰ポケット
オープンタイプです。
補強のステッチに注意!
胸及び腰ポケットは一枚の生地で縫製されています。
合理的ですね。
右袖ポケット
ダットファスナーで開閉
左袖にはループが2本
ペン用だと思われます。
袖
テーパー付き。
肘の補強生地
パットは入っていません。
楕円形
袖口
ダットファスナーで開閉
裾両サイドにはゴムを内蔵
ジッパーの刻印
ダットファスナーの刻印
いつものタイプですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ベージュの生地にカーキーグレイ、濃淡2色のグレイを用いて大小の雲型を描き、ホワイトの斑点とブラックでその影を描いています。
迷彩パターンはアメリカ軍のチョコチップクッキー迷彩、色調はサウジアラビア空軍のモデルに似ていますね。
でもそっくりそのままコピーしているわけではありませんよ。
迷彩比較
今回のモデル前
アメリカ軍チョコチップクッキー迷彩
サウジアラビア空軍モデル前面
今回のモデル背面
アメリカ軍チョコチップクッキー迷彩背面
サウジアラビア空軍モデル背面
サウジアラビア空軍モデルは、迷彩色調を変えていますがパターンは概ねアメリカ軍チョコチップクッキーを踏襲していますね。
やはり中共独自のアレンジを加えているようです。
生地は、おそらくコットンとポリエステル混紡のリップストップで軽量かつ通気性が良いです。
デザインは、同じく人民解放軍の97式迷彩ユニフォームのジャケットと同じですね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケットで、裾左右にはゴムを内蔵。
全体的な縫製は、中共製にしては丁寧かつ正確で、後の07式迷彩ユニフォームに比べても上質な仕立てです。
面白いですね。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 2003年
製造場所 中共
契約会社 中共
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 4-三
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約72cm
肩幅 約49cm
身幅 約61cm
袖丈 約58cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品?
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
他国が開発した兵器や装備をコピーすることは、軍備を迅速に整えるには最適の手段ですね。
何しろ他国が試行錯誤や創意工夫して開発した製品をコピーするわけですから、それに掛かる費用を削減できますから。
またどんな装備を開発すれば良いか…というのがわからない場合にも有効でしょう。
(諸外国でも多く見られますよね。)
ただしその後の研究を怠って、ずっとコピーに走っているのでは、大切な「技術の蓄積」が疎かになり、いつの時代にも「二流・三流」の誹りは免れないですね。
お国柄か、かの国とも相まって「速く早く」をモットーにした結果、余ったお金は自分の懐中へ…では、将来は「破綻」が確実に思うのですが…。
それはともかく、一着の迷彩服とするなら面白いモデルですね。
日本のフィールドでは、効果は限定的かもしれませんが、実用やファッションアイテムとして使用するなら、個性を強調できそうですね。
残念ながら、10年くらい前までは、どこのSHOPでも在庫していた今回のモデルも、現在では全く見掛けなくなりました。
元々製造数が少なく、かつ人気がなかったので投げ売りされたのかもしれません。
(もしかしたら大手SHOPの片隅に売れ残っているかも?)
しかし面白い迷彩服なので、迷彩服コレクターのあなたには、ぜひ入手して欲しいですね。
私は同じ迷彩生地のトラウザーズや、存在は不明ですがキャップを探してみたいと思います。
今回は、中国共産党人民解放軍の少々変わった砂漠用迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231106更新)
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参考:他の中国共産党人民解放軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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