記事引用元: https://www.military-spec-an.com/entry/2023/12/29/183000
今回は、1940年代のアメリカ陸軍M41極寒地用フィールドジャケットを分析します。
以前分析したアメリカ陸軍M41フィールドジャケットのバリーションですね。
よく似たデザインですが、大きく違っている箇所もありますよ。
当時の中古品で使用に伴う破損がありますが、残された個体の中ではまだ程度の良い方です!
目次
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1 アメリカ陸軍M41極寒地用ジャケット(カーキタイプ)とは?
第二次大戦中に支給されたM41フィールドジャケット。
それまでのウール製4ポケットジャケットを過去の遺物に追いやった、軽量・軽快な戦闘服でしたね。
その軽快さはアメリカTVドラマ「コンバット」や映画「プライベートライアン」でも確認することができますよ。
ただ問題点もあり、特に防寒性能は低いモデルでしたね。
アメリカもその辺は理解していて、M41ジャケットと同時期に、より防寒に特化したモデルを開発・支給しました。
それが今回のM41極寒地(アークティック)フィールドジャケットです。
アラスカなどの極寒冷地のほか、大戦中のヨーロッパでも使用例が見られますよ。
さてさて、それはどんなフィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、大戦中のアメリカ軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
外観上は、通常のM41フィールドジャケットより丈が長いのが特徴です。
背面
背面には浅いですがアクションプリーツあり。
前面裏側
裏側のほぼ全面にウール毛布生地のライニングがあります。
背面裏側
脇の下にはシェルと同じコットン生地で補強してありますね。
奇跡的に虫食いのない個体です。
襟周りレイアウト
襟は最上段のボタンとチンストラップで立てることができます。
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ跡
タグは購入時から紛失していました。😭
脇の補強生地
2枚の三日月型生地で構成されていますね。
ウールのライニングにもプリーツあり。
エポレットは僅かにテーパーのついたクサビ型
ボタンで開閉。
胸ポケット
オープンタイプで角度が付いています。
ポケット内側の生地は、薄いカーキのコットンポプリン製。
左右のウエスト付近にはサイズ調整ストラップあり。
金属製のバックル付き。
袖
緩やかなテーパー付き。
袖口はストラップで調整可能
こちらも金属製バックル付き。
バックルは一部錆びています。
ジッパー
古いベル型の「CONMAR」製
前見頃やエポレットに使用されているボタン
ブラウンのプラスティック製。
襟の折れ目部分(肌に接する箇所)には、擦り切れ、変色、穴あり。
袖口には使用に伴う擦り切れあり。
でも少ない方ですね!
縫い付けられていた部隊パッチ(ワッペン)
有名なパットン将軍が大戦中に指揮した「第3軍」ですね。
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3 その特徴とは?
シェルの生地は、カーキのコットンツイルで、ポプリンより耐久性と防風性が強化されています。
(一般的なチノパンの生地に似ています。)
一方、裏面のほぼ全面には、濃いODのウール製毛布生地ライニングがあります。
でも一般的なM41フィールドジャケットより厚い生地ですね。
(シェルも含めてウインターコンバットジャケット(通称タンカースジャケット)に似ていますよ。)
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2で、ウエストと袖口にはストラップがあってサイズを調整できます。
(一般的なM41フィールドジャケットはボタンとタブでしたね。)
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で強度も十分です。
ただし使用に伴い襟や袖口の擦り切れは、このモデルでも発生していますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ウール
表記サイズ 不明
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約50cm
着丈 約80cm
身幅 約63cm
袖丈 約62cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
シェルやライニングの生地、そして着丈を変更したことで、より防寒性能を向上させたジャケットとなりました。
…でも、やはりポケットの容量不足、絶対的な防寒性能不足の解消までは至らなかったようですね。
また他のオールライニングジャケット同様、クリーニングにも問題がありました。
そのため一般的なM41フィールドジャケットに比べて少量生産で終わってしまったのは残念ですね。
…それはともかく、当時の官給品は現在でも各種ショップやオークションで入手可能です。
ただし程度の良いものは年々減って価格も上昇しつつあります。
探しているあなたには、できるだけ早めの購入をお勧めします。
その場合は、少しでも気になる点があったら購入は控えて次を探しましょう!
(官給品の程度は千差万別です。また価格が高価なら良い状態である…とは必ずしも言えません…。)
またミリタリー業界の七不思議(…と思ってるのは私だけ?)なのですが、このM41極寒地用フィールドジャケットのモデル品は過去に一度もモデル化されていません。(…よね?って誰に確認しているの?)
公共交通機関や私有車における暖房設備が発達した現在、今回のモデルくらいの防寒性能が最も使い易いのではないかと思うのですが…?
国内の有名メーカーやミリタリーショップは言うに及ばず、ファッションブランド(特に廉価版販売店)でも取り上げてもらいたいアイテムですね。
(海外製も見たことがありません。どこかで販売されていたという情報をお持ちの方は教えてください。)
ぜひメーカーさんに考えて欲しいですね!
期待しています!
今回は、アメリカ陸軍のM41極寒地用フィールドジャケットを分析しました!
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231230更新)
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参考:大戦中のアメリカ陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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