記事引用元: https://www.military-spec-an.com/entry/USutilitycoverall1stOG1071978used
今回は、1970年代のアメリカ軍コットンカバーオールを分析します。
一連の「OG-107」シリーズのアイテムですね。
作業用ですが応用の効くカバーオールでもあります。
実際に使用されていたもので破損や汚れがありますが程度は良好ですよ！
目次
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１ アメリカ陸コットンユーティリティーカバーオール（OG-107・初期型）とは？
日常生活における各種作業で使用する「つなぎ服」と呼ばれるカバーオール
作業時に普段着の上に着用することで汚れや破損から大切な衣類を守ってくれることから、私も草刈りなどの作業時によく使用しています。
勿論、軍隊においても同様で、この種の衣類は多くの国で使用されていますね。
アメリカ陸軍も1940年代にはODのHBT（ヘリンボーンツイル：杉綾織）のユーティリティカバーオールを一部の兵科に支給していました。
（陸軍航空隊の整備兵とがが有名ですよね。）
ところがHBTという丈夫で高価な生地が使用されていたため、コストが掛かるのが難点でした。
そこで生地やデザインを大幅に変更したモデルが1950年代に開発されましたよ。
それが今回のモデルです。
この当時のユーティリティージャケットやトラウザーズ同様、生地をODのコットンHBTからOG-107のコットンサテンへ変更、ベルトを廃したり、各部のデザインも変更してより使いやすくしました。
今回のモデルは、そんなユーティリティーカバーオールでも前合わせがボタンの初期型になります。
中古品なので使用感がありますが、逆にOG-107独特の「味」が出始めていますよ！
さてさて、それはどんなユーティリティーカバーオールなのでしょうか？
今回はアメリカ軍装備マニアのみならず、ハンターカブ主やスーパーカブ主のあなたと一緒に、確認してしていきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
前面
全体的にゆったりとしていて、左右非対称のデザインですね。
背面
こちらも左右非対称です。
ウエストのサイズ調整タブ、右ヒップや右側面のポケットに注意。
前面裏側
内ポケットはありません。
背面裏側
襟周りレイアウト
襟裏などの一部では、僅かに色調の違う生地が使用されていました。
前合わせは三重になっていますね。
まず表面のボタン５個を外して…
次のボタン３個を外し…
最頂部にあるフラップのボタンを外して、やっと開放できます。
少々面倒くさいですね。
後期型では全てマジックテープに変更されたのもわかる気がします。
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1978年度契約品です。
胸パッチポケット
左胸のみでオープンタイプです。
（ポケットフラップはありません。）
一般的なポケットの一部を縫ってペン用（？）のポケットを設けていますね。
ウエストサイズ調整タブとボタン
三段階に調整可能。
タブも僅かに色調
腰パッチポケット
オープンタイプでポケット口は角度付き。
左右にあります。
ヒップポケット
右腰のみ。
こちらもオープンタイプですね。
右腰ツールポケット
裾
こちらもボタンで調整可能
袖
僅かにテーパー付き。
袖口もボタンで調整可能
こちらは二段階ですね。
ボタン
赤みの強いODで、初期のユーティリティージャケットなどに使用されているものに似ています。
因みに中期型は、ODの肉厚プラスティック製（BDUタイプ）ですね。
右肩背面の解れ
これは折り返した生地が足りなかっただけで、縫製はしっかりしています。
破面には使用に伴う穴あり。
裾裏側には折り返して使用していた擦れあり。
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３ その特徴とは？
生地は前述の通り、OG（オリーブグリーン）に染められたコットンサテンで、1950年〜1970年代まで使用されたユーティリティーユニフォームと同じものですね。
やや厚みがありますが、肌触りが良く、洗濯を重ねることで信じられないくらい柔らかくなるのが特徴です。
また次第に褪色して独特の雰囲気を醸し出すのも特徴ですね。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット、腰ポケット×2、ヒップポケット、ツールポケットで、ウエスト、袖口、裾にはサイズ調整タブがあります。
面白いのは前合わせで、ガスフラップ（？）も含めて三重になっているところですね。
これをボタンで制御しているため、着用には少々時間がかかりますよ。
全体的な縫製は、少々雑で一部にミスもありますが、強度は抜群です。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1978年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M
（日本人のL）
各部のサイズ（平置）
肩幅 約48cm
身幅 約57cm
袖丈 約58cm
着丈 約153cm
ウエスト 約45cm
股下 約71cm
裾幅 約24cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 2（やや困難）
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５ まとめ
前合わせが三重で、しかもボタン開閉というのは、着脱が少々面堂…面倒ですよね。
でもマジックテープを使用した後期型では、時間とともにマジックテープの接着力が落ちてくるので、不意に開いたりしてしまします。
その点、ボタンなら安心感がありますね。
生地のコットンサテンは、やや厚めながら肌触りは良好なので、真夏以外では普通に使用できそうです。
（バイクなら真夏でも大丈夫ですね。）
また邪道ですが、このカバーオールの生地やボタンは、OG-107シリーズの補修にも使用できますね。
（ボタンはともかく、生地は色調が合えば…の話ですが。）
気古したボロボロの中古品でも利用価値がありますね。
実は今回のモデルは、初期型及び後期型を問わず、他のOG-107シリーズに比べると、人気がありません。
やはりカバーオール（つなぎ）はトイレなどが面倒だからですね。
逆に探しているあなたには、比較的入手しやすいアイテムといえます。
サイズはSMLという簡単なものですが、このデザインなら袖や裾を折り曲げて着用しても違和感がありません。
実作業からファッションの広い範囲で活用できるカバーオールです。
ぜひあなたも入手してみてください！
今回はアメリカ軍コットンユーティリティーカバーオール（OG-107）を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
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参考：同モデルの後期型に関する記事はこちらです。⬇︎
各国のユーティリティーカバーオールに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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